海。そして原発。

2011年7月23日 [映画・ドラマ・本]

ドキュメンタリー映画「祝の島」を観てきました。

私は、原発がある2つ隣の駅で生まれ育ちました。
物心ついてからそれは普通にそこに存在し、私は
当たり前のようにそれを受け入れて育ってきました。

東北の地震、そして原発事故。

マスコミの原発批判の報道を観る中で、私の中にはどこかで
「それでも原発があった場所はそれなりに恩恵を受けてきた」という
気持ちがあったことも否めません。

ここ数週間の間、ジブリの「コクリコ坂から」を観て、
千葉の房総半島に行って、なんとなくそこにある海を意識していました。

地震の際には津波として恐ろしいものになっていた海が
房総では穏やかな、人の心を癒すものとして存在していました。

「祝の島」ではそんな海の恩恵を受けながら決して暮らしやすいとは
言えない土地で家族のように支え合っている人々の生活を観ることが出来ます。

あれ?私たちは原発で何を得ようとしていたんだっけ?と考えさせられます。
原発で得るものが、この人々の豊かな暮らしよりも果たして大切で価値が
あるものなのかと思うとYESと答えられる人はどれくらいいるんでしょうか。

色んな見方や考えがあるので一方的にこれは正しいなんて言えませんが
少なくとも、この映画を観て、賛成派も反対派も考えるべきだと思う。

テレビや選挙や多数決、表面的なものしか見えていない。
でも今の原子力発電のシステムに賛成することによって何を得て
何を失うのか、本当に自分はそれが分かっているのか、考えたい。

« うな丼 | メイン | 今日の一枚 »